13. 覚醒方法

1. 聖音を唱えて聞く
自分を物質の肉体と同一視している人は、その肉眼を通してブラフマンを見ることはできません。しかし、ブラフマンの音は聞くことはできます。
私たちがいるこの物質世界は,二元相対性の世界です.名前とその対象は同一ではありません.世界に光をもたらす天体を,日本語では「太陽」,英語では”Sun”, フランス語では”Soleil”と呼び,言語によって異なります.しかしその対象は同じです.
けれども,絶対真理バガヴァーンがいらっしゃる精神界は,名前とその対象は同一です.従って,バガヴァーンとバガヴァーンの名前は同一なのです.
そして無限の存在であるバガヴァーンは,無数のお名前があります.それらのバガヴァーンのお名前はすべて,バガヴァーンと同一です.

従って,バガヴァーンやバガヴァーンの化身の名前を唱えることは,バガヴァーンと繋がることになります.この行法をマントラ・ヨーガと言います.マントラは,真言のことで,文字通りの意味は「心を救う」ことです.ヨーガとは、「バガヴァーンと繋がれる」という意味です。
太陽はあらゆる不浄なものを浄化します.無数の宇宙を創造するバガヴァーンは,無数の太陽を創造します.そのバガヴァーンを私たちは肉眼で認識することはできません.
しかし,バガヴァーンの聖なる御名を唱えて聞くことはできます.
こうしてバガヴァーンの聖なる御名を聞いたり唱えたりすることで,私たちの心にある様々な不浄な自己中心的な欲望を浄化することができます.こうして次第に罪を犯さなくなっていきます。これが私たちの物質の病を癒やす方法なのです.

聖なる御名を唱え、罪を犯さないことで、私たちは自分が肉体ではなくブラフマンであることが理解し、そしてやがて悟ることができるようになります。
harer nāma harer nāma harer nāmaiva kevalam
kalau nāsty eva nāsty eva nāsty eva gatir anyathā
主の聖なる御名,主の聖なる御名,主の聖なる御名だけだ.カリユガという最も堕落した時代で,自己を悟る方法は,これ以外にない,これ以外にない,これ以外にない.(ブリハン・ナーラディーヤ・プラーナ 38.126)

「神」を讃えることは,ユダヤ教・キリスト教・イスラム教でも強調されています.
「ハレルヤ」は,「ヤハウェ(「神」)を褒め讃えよ」という意味です.
「アーメン」は,ヴェーダの「オーム」oṃと関連する「神」を現わす聖なる音響・バイブレーションです.
「アッラー・アクバル」は,「アッラー(「神」)は偉大なり」と「神」を讃える言葉です.
日本の仏教では,空也師や一遍師によって主仏陀の聖なる御名「南無阿弥陀仏」を唱えることの重要性を自ら実践してその手本を見せてくださいました。こうして多くの民衆が「南無阿弥陀仏」を唱えるようになり,観音崇拝と共に大和民族が精神的に発達する原動力になりました.

因みに観音様は,バガヴァーンの物質宇宙創造する為の拡張分身である主ヴィシュヌ(ガルボダカシャーイー・ヴィシュヌ:Garbhodakaśāyī Viṣṇu)です.主ヴィシュヌは,「デヴァタ(神々)や帰依者を護り,アスラを滅ぼす武器」であるチャクラを持ってらっしゃいますが,観音様もまた如意輪(チャクラの漢訳)を持ってらっしゃいます.
主ヴィシュヌは, 宇宙体(ヴィラート・ルーパー: Virāṭ-rūpa)という宇宙そのものに拡張し,更にはクシーロダカシャーイ・ヴィシュヌ(パラマートマー: Paramātmā)としてすべての原子の中にも存在し,そしてすべての生きとし生けるものの心臓にも存在します.
これに加えて千手観音は,宇宙体を表現したものです.そして主仏陀は,主ヴィシュヌ(ガルボダカシャーイ・ヴィシュヌ)から現れた化身です.主ヴィシュヌの化身であるハヤグリーヴァ(Hayagriva)は、馬頭観音です。またダンヴァンタリ (Dhanvantari)は、薬師如来です。このようにバガヴァーンや主ヴィシュヌは、地上界に降臨します。

yadā yadā hi dharmasya glānir bhavati bhārata
abhyutthānam adharmasya tadātmānaṁ sṛjāmy aham
いつでもどこでも、ダルマ(宗教原理・宇宙の法)が衰退し無宗教が栄えると、私(バガヴァーン)は、降臨する。(バガヴァッド・ギーター  4.7)

主仏陀はバガヴァーンの化身です。従ってバガヴァーン≒主仏陀、つまり「神」 ≒ 仏です。よって主仏陀の御名を唱えることは、主仏陀と繋がれることと同じであり、バガヴァーンと繋がれることと同じなのです。
以下に、ヴェーダで勧められているマントラをいくつかご紹介致します。
① oṃ オーム
ヴェーダの多くの聖典では,至る所でオームoṃという聖音が唱えられます.オームは,絶対真理の非人格的音響・バイブレーションです.このオームは, 仏教でも用いられ,オンと発音し,唵と漢訳されています.
oṁ ity ekākṣaraṁ brahma vyāharan mām anusmaran
yaḥ prayāti tyajan dehaṁ sa yāti paramāṁ gatim
絶対真理ブラマンの一音節である超越的音響「オーム」を唱え,私(バガヴァーン)を想いながら肉体を捨す者は誰でも,最高のゴール・精神界に到達する。(バガヴァッド・ギーター 8.13)
② oṁ namo bhagavate vāsudevāya
オーム・ナモー・バガヴァテ・ヴァースデヴァーヤ
私は、すべてに遍満する主ヴァースデヴァ(バガヴァーンの無数の個人的名前の一つ)に敬意を表します。
oṁ namo bhagavate vāsudevāya
mantreṇānena devasya kuryād dravyamayīṁ budhaḥ
saparyāṁ vividhair dravyair deśa-kāla-vibhāgavit
「オーム・ナモー・バガヴァテ・ヴァースデヴァーヤ」このマントラを用いて,時と場所を考慮しながら,バガヴァーンの神像を様々な崇拝道具で崇拝しなさい.(バヴァッド・プラーナ 4.8.54)
③ oṁ namo nārāyaṇāya
オーム・ナモー・ナーラーヤナーヤ
私は、原初の人である主ナーラーヤナ( バガヴァーンの無数の個人的名前の一つ ) に敬意を表します。
④ hare kṛṣṇa hare kṛṣṇa kṛṣṇa kṛṣṇa hare hare
hare rāma hare rāma rāma rāma hare hare
ハレークリシュナ,ハレークリシュナ,クリシュナ・クリシュナ,
ハレーハレー, ハレーラーマ,ハレーラーマ,ラーマ・ラーマ,ハレーハレー
私は、すべてのエネルギーの源である絶対真理シュリー・クリシュナ ( バガヴァーンの個人名 ) に、そしてその至上のエネルギーであるシュリマテ・ラーダラーニに、帰依致します。
hare kṛṣṇa hare kṛṣṇa kṛṣṇa kṛṣṇa hare hare
hare rāma hare rāma rāma rāma hare hare
iti soḍaśakaṃ nāmnāṃ kali-kalmaṣa-nāśanam
nātaḥ parataropāyaḥ sarva-vedeṣu dṛṣyate
カリ時代の魔を取り除く16の聖名「ハレークリシュナ,ハレークリシュナ,クリシュナ・クリシュナ,ハレーハレー, ハレーラーマ,ハレーラーマ,ラーマ・ラーマ,ハレーハレー」を唱える以上の崇高な宗教的修練法を、全ヴェーダ聖典を通して見つけることはできない。(カリ・サンタラナ・ウパニシャッド) 

2. 正食(しょうじき)について
日本における肉食の禁忌は、天武天皇が675年(大和時代)に肉食を禁止してから江戸瓦解(明治維新)まで続きました。
ところがヤマトの人々の国際的にも高い精神性は、国際金融組織等の魔性の勢力がプロデュースした明治政府によって攻撃対象になったのです。
神仏融合によって生み出された精神性が、神仏分離・廃仏毀釈・神社合祀によって破壊され、加えて「官社以下定額及神官職員規則等」により、神職が公務員化され俗人でも神職に就けるようになった為に、神道の持つ霊力が次第に劣化していきました。更に、明治天皇が牛肉を食するデモンストレーションによって、国民は次第に牛肉を食するようになり、動物の屠殺という罪を犯すことが日常化してまいました。

bhuñjate te tv aghaṁ pāpā ye pacanty ātma-kāraṇāt : 己の感覚満足の為に他の肉体を食物とすることは罪だけを食することになる.(バガヴァッド・ギーター 3.13)

私たちは食べ物として植物が与えられています。けれども植物も生き物です。魂がその中にいるから成長し、実を付けてくれます。
私たちが,無機物から有機物に変換してくれる植物を食べ物とするには,きちんとした方法があります.

patraṁ puṣpaṁ phalaṁ toyaṁ yo me bhaktyā prayacchati
tad ahaṁ bhakty-upahṛtam aśnāmi prayatātmanaḥ
葉,花,実,水を私(バガヴァーン)に愛で捧げるなら,私は喜んで受け入れよう.(バガヴァッド・ギーター 9.26)

バガヴァーンは私たちから食物を欲しているのではありません.私たちとの愛の関係を回復させたいのです.私たちが,宇宙の支配者であり所有者であるバガヴァーンが望む食物を捧げることで,私たちは食べるというカルマ(行為・活動)を浄化させることができます.
こうして「神」に捧げた供物を食することで,罪を犯すことなく食事することができ,そして私たちの物質の肉体が浄められ,更に私たちはブラフマンの理解や認識が進み,且つ慈悲心・愛が育まれます.
バガヴァーンとの関係を絶った私たちが,このように自分が食べる前に感謝の気持ちからバガヴァーンに食事を捧げて、バガヴァーンと再び愛の交換をするようになると,次第に本来の「神」への愛を目覚めさせることができるようになります.

更にバガヴァーンに捧げられた植物たちは,本来なら,昆虫から水中の動物,そして陸上の動物を経て,自分の肉体が強者の食べ物になりながら,長い転生の旅の果てにやっと人間の肉体に入るところを,次の生ですぐさま人間の肉体に生まれることができます.
裏サイト「New World Order 人工パンデミック」の「第19章 コロナ禍で学ぶこと」もご覧下さい。

捧げ方
1.「神」・仏にお食事を捧げるための専用の食器を用意します.この食器は私たちが使用してはなりません.

2.食材は,野菜(海藻も含む)・果物・木の実・乳製品を使って,自分が愛する大切な人や大切なお客様に食事を供する時のように,心を込めて料理します.

3.主仏陀の弟子の方,或いは仏教に傾倒してらっしゃる方であれば,主仏陀や観音様の像(仏像)やその写真を用意します.またモーセ師・キリスト師・ムハンマド師の弟子の方,或いはこれらの師のいずれかに傾倒なさっている方であれば,その師の絵や写真の前に,用意したお食事を捧げます.
ヴェーダの精神文明にある「神」の像はすべて神性で実在する姿です.人間の代表者である上記の師たちと一緒に,これらの神像の前に捧げるのは更に有効です.人間が想像で作り出した「神」の像・絵・写真はすべて偶像ですので,決して捧げないでください.

尚,ヒンドゥー教徒の中にはヴェーダの教えに従わず,生まれで社会の役割・カーストを固定して自分の生まれを既得権益として子々孫々継がせようとする者が大勢います。また神道と同じで、至上の神は誰なのか、バガヴァーンが誰なのか分からず、その為真の人生の目的が分からない為に、現世利益を求めてdevata: 神々たちに捧げ物をしてこの現世を不安のなく生きて、天上界に昇進することや神々になるといった、天国での幸福を目指しています.
従って,私たちが食事を捧げてカルマから浄化された供物にするには,捧げる相手は,シヴァ神(大黒天),インドラ神(帝釈天),ブランマー神(梵天),スーリャ神(太陽神),ガネーシャ神といったデヴァタ・神々・天使たちではありません.
私たちが食物を捧げる相手は,ブラフマン(魂・命)の源であり物質(宇宙)の源あり,宇宙の法・ダルマの権化である絶対真理バガヴァーンです.バガヴァーンに捧げられた御供物を食することで、私たちの物質の病を浄化させることができます。

4.祝詞(のりと): 仏教徒や仏教に傾倒なさっている方であれば,「南無阿弥陀仏」と主仏陀のお名前を唱えます.
ユダヤ教徒・キリスト教徒・イスラム教徒やこれらの教えに傾倒なさっている方であれば,その宗教で食事の捧げ方が決まっているのならそれに従い,もしなければ,モーセ師・キリスト師・ムハンマド師のお名前や,上記のマントラで述べたそれぞれに伝わっている「神」の名前を唱えます.
「神」の名前を唱えることを禁じているところもあります。それは無知な私たちが「神」を侮辱してしまうことを恐れてです。けれどもバガヴァーンは慈悲深い御方です。私たちが侮辱をしないように改心の情で主の聖なる御名を唱えれば、もしその伝えられている主の聖なる御名が本物であるならば、主から慈悲を得ることができます。
何故なら主が望むことは、この物質界に自らの物質的欲望の為に堕ちてしまった子供たち(放蕩息子・娘たち)が帰ってくることだからです。
尚、「神」の聖なる御名を唱えることに加えて自分の言葉で, 例えば,「心ばかりの料理ですが,どうかお食べくださいますようお願い致します」旨のお祈り(祝詞)を捧げるのも良いことです.

5.実際にお食事にかかると思われる充分な時間を置いた後,捧げた料理をお下げして,その料理を自分が使用する食器に移して,捧げるのに使用した食器を綺麗にします.

6.こうしてできたお供物を頂く前に,感謝のお祈りを捧げて,それから有り難く頂きます.

乳製品について
雌牛は,子牛に与える以上の乳を生み出します.その乳は搾らないと,雌牛は病気になってしまうのです。また雄牛は,農耕に欠かせない労働力になります.牛は、バガヴァーンが人類の恩恵の為に与えてくださった尊い動物です.従ってインドでは牛を神性視し,人間に奉仕をしてくれる牛を大事にし,殺して食べることなど絶対にしません.牛を食べるインド人は,西洋の無神論・唯物主義に汚染され魔性化した人たちです.
尚,殆どのチーズは子牛の胃袋の消化酵素・レンネットを用いて作られています.けれども牛乳に酸を加えて作るモッツァレラチーズは,このような罪深いチーズではありません.ただ最近は,動物愛護の観点から,化学合成された人工レンネットを用いたチーズもあるようです.チーズに関しては,事前によく確かめてお使いなさったほうが安全です.

以上、第13章 覚醒方法 終了